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住まいサーフィン編集部

マンション環境性能表示制度とは?ラベルの内容やマンション価格への影響について

2025年03月18日

更新日最終更新日:

マンション環境性能表示制度とは?

近年、環境問題や省エネへの意識が高まる中、住宅に関してもさまざまな制度がつくられています。

東京都では「マンション環境性能表示制度」を実施しており、ラベルによってマンションの環境性能が一目でわかるようになっています。

しかし「マンション環境性能表示制度ってなに?」「ラベルはどこで見られるの?」「他の制度と何が違うの?」と思っている方もいらっしゃるでしょう。

今回の記事では、マンション環境性能表示制度の内容やラベルの見方について詳しく解説いたします。

この記事の編集者

住まいサーフィン編集部

1998年開設、マンションの適正価格や資産価値を判断するための価格情報サイト「住まいサーフィン」が運営。
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1. 「マンション環境性能表示制度」とは?

まずは、マンション環境性能表示制度の概要やラベルの見方、他の制度との違いについて解説します。

マンション環境性能表示制度の目的

マンション環境性能表示制度とは、大規模な新築マンション等の販売・賃貸広告に、環境性能のラベル表示を義務付けたものです。

2005年(平成17年)より、東京都が「建築物環境計画書」をもとに独自で行っている制度となります。

建築物環境計画書とは、建築主が東京都に届出する計画書です。建築主が実施する環境配慮へのさまざまな取り組みが記載されています。

しかし、建築物環境計画書には専門用語なども多く、一般のマンション購入者にはなかなか伝わりにくい内容となっています。

そこで、東京都はマンションを購入・賃貸する方に向けて、分かりやすく環境性能の情報を伝えるためにラベルの表示を義務付けたのです。

マンション環境性能表示制度があることによって、一般の方でも環境に配慮したマンションを選択しやすくなるというメリットにつながります。

ラベルの詳しい内容や見方については「環境性能ラベルについて」で解説しています。

環境性能ラベルは、各物件の公式ホームページ・チラシ・SUUMOなどのポータルサイトに表示されているので確認してみると良いでしょう!

また「各物件の環境性能を調べてみよう」では、環境性能について高い評価を受けているマンションを一部紹介します。

現在、ラベルの表示対象となっているマンションは主に大規模マンションです。具体的な条件は次のとおりです。

ラベルの表示対象(必須)
  • ● 延床面積5,000㎡を超える分譲マンション及び賃貸マンションの新築・増築
ラベルの表示は任意
  • ● 延床面積2,000 ㎡以上のマンション

環境性能ラベルの内容

マンション環境性能表示制度における環境性能ラベルの見本は次のとおりです。

環境性能ラベルの内容
(画像出典:東京都環境局 https://www7.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/building/mansion/)

環境性能ラベルには、以下の5つの環境性能が示されています。

また、それぞれの性能は★の数で評価されています。

評価項目

  • ★☆☆ 一般的な取り組みの水準
  • ★★☆ 一つ星よりも環境配慮が上回る水準
  • ★★★ 環境配慮が最も優れた水準

① 建物の断熱性

断熱性能の向上による建物の省エネルギー性能を評価しています。

主に、断熱材等の施工冷暖房の使用を抑える効果などが評価対象となっています。(住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)の住宅性能評価の基準を準用して評価)

また、窓など開口部も熱の出入りが大きい場所です。開口部の日射遮蔽(夏に窓から入ってくる太陽熱を遮ること)や気密性の高さも重要な評価ポイントとなってきます。

② 設備の省エネ性

あらかじめ設置されている設備のうち、以下の設備における省エネ性を評価しています。

  • 給湯システム
  • ビルトイン空調機
  • 床暖房システム
  • 暖房機能付給湯システム(床暖房付き)

集合住宅におけるエネルギー消費のうち、約60%が給湯・冷暖房によるものです。そのため、上記の設備が重要視されています。

省エネルギー性能の高い設備が導入されていると、高い評価が得られます。

特に給湯設備では、ガス式の潜熱回収給湯器(エコジョーズ)・電気式のCO2冷媒ヒートポンプ給湯器(エコキュート)などにより、大幅にエネルギー消費効率が向上しています。

③ 再エネ設備・電気

太陽光発電設備および太陽熱利用設備の導入規模を評価しています。(どちらか一方でも評価対象)

設備を設置していない場合は★が表示されません。

太陽エネルギーには「電気として使う方法」または「熱として使う方法」がありますが、集合住宅ではどちらの場合でも高いCO2削減が期待できます。

④ 維持管理・劣化対策

配管の維持管理や居室の用途変更・改修のしやすさ、躯体の劣化対策について評価しています。(住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)の住宅性能評価の基準を準用して評価)

特に、配管は重要視されています。給排水等の配管は耐用年数が短いため、定期的な清掃・点検あるいは大規模な修繕が必要となるからです。

また、ライフスタイルに応じて間取りの変更ができるよう、十分な階高や二重天井・二重床・間仕切り壁の変更のしやすさなども評価対象となっています。

⑤ みどり

敷地や建物上の緑の量と質(緑化)の確保について評価しています。

緑化の推進は、豊かな住環境を演出するとともに空気の浄化やヒートアイランド現象の緩和にも貢献しています。

また、単なる緑化面積の大きさだけではなく、既存樹木の保全等みどりの質の高さも重視されています。

各物件の環境性能を調べてみよう

新築分譲マンションの場合、環境性能ラベルは各物件の公式ホームページやチラシ・SUUMO等に表示されています。

また、東京都環境局のホームページでも各物件の環境性能を調べることができます。

(参考:東京都環境局 https://www7.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/building/mansion/area_select.html)

2025年2月現在、各項目の★が2つ以上の分譲マンションは115件、★が3つ以上の分譲マンションは16件でした。

以下の新築分譲マンションは★が3つ以上のため、環境性能が非常に高いマンションであると評価されています。

自治体によって制度が違う?

「マンション環境性能表示制度」は東京都が独自で行っている制度です。

しかし、他の自治体でも環境性能表示の取り組みは行われています。

様式は違いますが、省エネ性などの環境性能について評価されていることが一般的です。

詳しくは「2.各自治体の環境性能表示制度を紹介」で解説します。

省エネ性能ラベルとは違う?

最近では「省エネ性能ラベル」という言葉をよく見かけるようになりました。

省エネ性能ラベルとは、2024年4月に施工した「省エネ性能表示制度」に基づいたラベルです。

2024年4月以降に建築確認申請を行う建築物には、省エネ性能ラベルを表示することが努力義務となりました。

詳しくは「3.省エネ性能表示制度とマンション環境性能表示制度の違い」で解説します。

2. 各自治体の環境性能表示制度を紹介

東京都の「マンション環境性能表示制度」以外でも、各自治体では環境性能表示制度を実施しています。

CASBEEとは?

一部の自治体では、CASBEE(キャスビー)という建築環境総合性能評価システムを利用して評価を行っています。

CASBEEでは、建築物の環境品質(Q:Quality)建築物の環境負荷(L:Load)におけるそれぞれの項目を採点します。この採点結果を基準に、建築物が5段階で評価されています。

具体的な評価項目の内容は次のとおりです。

  CASBEE(建築)の評価項目
建築物の環境品質(Q)
  • ・室内環境(音環境・温熱環境・空気質環境など)
  • ・サービス性能(機能性・快適性)
  • ・敷地内の室外環境(街並み・景観への配慮)
建築物の環境負荷(L)
  • ・エネルギー(自然エネルギーの利用・設備の効率的運用)
  • ・資源・マテリアル(非再生性資源の使用量削減・汚染物質含有材料の使用回避)
  • ・敷地外環境(地球温暖化や周辺環境への配慮)

環境性能表示制度を行う自治体では、一定規模の建築物を建てる際にCASBEEの評価を届出することが義務化されています。

CASBEEは「一般財団法人住宅・建築 SDGs推進センター」が運用するシステムですが、各自治体の地域性によって評価項目を一部修正している場合もあります。

大阪市建築物総合環境評価制度

大阪市建築物総合環境評価制度
(画像出典:大阪市公式サイト https://www.city.osaka.lg.jp/toshikeikaku/page/0000115276.html)

大阪市では「CASBEE大阪みらい」の評価結果をもとに、ラベリングが義務付けられています。制度の概要は次のとおりです。

  大阪市建築物総合環境評価制度
ラベルの内容
  • ・CO2削減
  • ・みどり・ヒートアイランド対策
  • ・建物の断熱性
  • ・エネルギー削減
  • ・太陽光発電その他再生エネ
  • ・自然エネルギー直接利用
対象の建築物

延べ面積2,000㎡以上の建築物(新築・増築・改築)

以下の物件は任意で届出

  • ・延べ面積300㎡以上2,000㎡未満の建築物(新築・増築・改築)
  • ・延べ面積300㎡の既存建築物・省エネ改修など

横浜市建築物総合環境評価制度

横浜市建築物総合環境評価制度
(画像出典:横浜市公式サイト https://www.city.yokohama.lg.jp/business/bunyabetsu/kenchiku/kankyo-shoene/casbee/hyoji/gaiyou.html)

横浜市では「CASBEE横浜」の評価結果をもとに、ラベリングが義務付けられています。制度の概要は次のとおりです。

  横浜市建築物総合環境評価制度
ラベルの内容
  • ・省エネルギー性能
  • ・健康・安心
  • ・防災
  • ・地域・まちづくり
対象の建築物

延べ面積2,000㎡以上の建築物

以下の物件は任意で届出

  • ・戸建住宅を含む2,000㎡未満の建築物

3.省エネ性能表示制度とマンション環境性能表示制度の違い

2025年1月追加利上げの説明資料
(省エネ性能ラベルの画像出典:国土交通省 https://www.mlit.go.jp/shoene-label/ 環境性能ラベルの画像出典:東京都環境局 https://www7.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/building/mansion/)

省エネ性能表示制度とマンション環境性能表示制度の違いについて、比較してみましょう。

  省エネ性能表示制度 マンション環境性能表示制度
施工年 2024年4月 2005年10月
制度主体 国土交通省 東京都(または各自治体による)
ラベルの名称
  • ・省エネ性能ラベル(新築)
  • ・省エネ部位ラベル(中古)
環境性能ラベル
ラベルの内容
  • ・エネルギー消費性能
  • ・断熱性能
  • ・目安の光熱費(年間) など
  • ・建物の省エネ性
  • ・設備の断熱性
  • ・みどり(環境への取り組み) など
目的 建築物の省エネ性能を消費者にわかりやすく表示する 建築物の環境性能・建築主の環境配慮への取り組みを消費者にわかりやすく表示する

「省エネ性能表示制度」は、2024年に国土交通省によって開始された比較的新しい制度です。

2024年4月以降に建築確認申請を行う建築物を対象に、省エネ性能ラベルの表示が努力義務となっています。

省エネ性能ラベルを見れば、建物のエネルギー消費性能や断熱性能、年間の光熱費目安などが一目で分かります。

詳しくは以下の記事で解説しています。

省エネ性能表示とは!?エネルギー消費性能や断熱性能といった省エネ性能ラベルの各項目を解説!

「省エネ性能表示制度」の制度概要をご紹介するとともに、省エネ性能ラベルの見方についても解説します。

一方で、「マンション環境性能表示制度」を含む環境性能表示制度では各自治体によって評価項目が異なります。

断熱性や省エネ性能なども評価の対象となっていますが、緑化面積の広さ・防災対策・健康など項目は幅広いです。

よって、省エネ性能ラベルは省エネ性能に特化した項目を評価し、環境性能ラベルは環境への総合的な取り組みを評価しているといった違いが見られます。

マンション購入前は、どちらか一方のラベルだけではなく両方のラベルを確認してみると良いでしょう。

4. マンション購入に何か影響はあるの?

マンション環境性能表示制度があることによって、マンション購入に影響はあるのでしょうか?

環境性能が高いマンションは価格が高い

国土交通省の調査によると「環境性能の届出がされている新築分譲マンションは、届出されていないマンションよりも価格が高い」という結果になっています。

(参考:環境不動産の経済価値の評価・分析について https://www.mlit.go.jp/common/001206935.pdf)

近年は、政府の「カーボンニュートラル宣言」や2024年から始まった「省エネ性能表示制度」など、環境への取り組みが急速に進んでいます。

こうした背景もあることから、環境性能が高いマンションの市場評価はますます高まると考えられます。

よって、今後も物件価格が上昇していくかもしれません。

しかし、最近では省エネ性能が高い住宅への補助金制度などが充実しています。補助金を上手く利用してマンション購入を進めていきましょう。

補助金については以下の記事で解説しています。

【2025年最新】マンション購入でもらえる補助金は何?減税制度についても解説!

マンション購入時に利用できる補助金と減税制度について解説します。

5.まとめ

今回の記事では、マンション環境性能表示制度ついて解説しました。

東京都など環境評価制度を行っている自治体でマンションを購入する際は、ぜひ環境性能ラベルに注目してみましょう。

また、省エネ性能ラベルと合わせて確認することで、より性能の高いマンションを購入できるというメリットにつながります。

近年、政府は省エネ性能が高い住宅を推進しており、補助金や減税などが手厚くなっています。どんな家を買うか悩んでいる人は、省エネ性能の高い住宅の購入をおすすめします。

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